ヴィヴィアン・ウエストウッドにとって、マルコム・マクラーレンとの出会いは彼女の人生の運命的で最大の転機だった。

1971年のロンドンの若者達にとって、ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンとの出会いは、それまで主流だったヒッピールックから、パンクやロックといった前衛的で反抗的なファッションへと熱烈に傾倒していくきっかけとなった。

極度の麻薬中毒者であったことでも知られるシド・ヴィシャスにとって、ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンが出会ったことは、ベーシストとして”セックス・ピストルズ”に加入したこと、『パンクの伝説』と世界中から謳われたこと、そしてもしかすると21歳という若さにして死んだことの、始まりだったのかもしれない。

僕にとって、ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンが出会ったことは、ファッション業界に入るきっかけとなった出来事ではない。そこからカルチャーを深く掘り下げるようになったわけでもなく、はたまた彼らの人生に触発され、自身の人生観が大きく変わったわけでもない。

ただ、マルコムが愛用していた”Vivienne Westwood”のアイコニックなマウンテンハットだけは、なぜかその白黒の写真を初めて見たときから鮮烈に目の奥に焼き付いていて、『セッズ』を始めパンクの影響を色濃く反映するMOUNTAIN RESEARCHの”Homburg Hat”を被るきっかけとなった。

MOUNTAIN RESEARCH Homburg Hat ￥24,000+TAX-