小さな違和感。
こんにちは。1LDK annexの杉浦です。
涼しい。
冬をこよなく愛する僕にとっては自然と笑みが溢れる情報ですが、いざ去ってしまうと夏らしいことあんましてないなぁと少しばかり後悔。
来年こそは。と意気込んではいるものの、数日後には寒さの喜びで暑かった日のことなど考える頭のスペースはないので結局例年通り、エアコンの風にあたる日々になりそうです。
いや、やっぱり来年こそは夏を制す。
そんな当たり障りのない話は置いておいて、今回はとあるデニムについてブログを書かせていただこうかなと。
“DENIM PANTS”
COL (price): INDIGO WASHED (¥47,300-TAX IN)/ INDIGO(¥41,800-TAX IN)
SIZE : S / M / L
YOUTH OF THE WATER(ユースオブザウォーター)からデニムパンツのご提案です。
昨年の秋冬から立ち上がった当ブランドは「ブランド」「作り手」「消費者」の3者が対等でより良い関係を築いていくことを大切にしています。
その中でユースのデニムは取り組み方が他ブランドと一風変わっており、それを皆さんに伝えていけたらなと。
デザイナーの上田さん自身で工場に赴き、実際に製品を作られている方の利き手や縫製のクセをそのまま活かしたデニムパンツ。
某デニムブランドの1933年製501がベースパターンで、当時の乱雑に縫製されたデニムには上糸と下糸が違う色で縫われていたらしく、箇所によってステッチの色がバラバラだったことに注目して今回のデニムも制作されています。
↑某デニムブランドの異なる色のステッチ
ニュアンスはこれと同じようで、分かりやすく言うとミシンに直接糸掛けするのが上糸で、ボビンに巻きつけて機械にセットする方が下糸です。
その上と下の色がバラバラなのが上記の写真。それを今回踏襲して、上糸を生成り、下糸を紺色にして縫製しています。
さらにそこから、縫っている人の利き手によって縫い目の流れる向きが変わっていたり、人によって縫いやすい向きを上にすることで、表面に出てくるステッチの色も変わるのです。
普段から服を縫製していない人からしたら訳が分からないことだと思いますが、、。拙い説明で申し訳ないです。
ここに着目するのも当ブランドらしいと言いますか、毎度毎度「そこ!?」っていうところにフォーカスを当ててくるので僕自身もとても勉強になります。
後これも大切なことで、縫い手の目線から一番合理的に縫えるやり方をお願いして制作しています。(後ほどコインポケットの作りなど簡単に説明します。)生産者へのリスペクトも感じますし、何よりも人間味のある表情になります。
僕自身実際に縫製されている方は話したことも、はたまたお会いしたこともないですが、目の前に確かにある人間味に生々しさを覚えました。パッキンに敷き詰められたアイテムひとつひとつに機械的ではないフワッとした言い方になりますが、人と触れ合っている感覚。(農協に売ってる野菜のラベルに生産者の顔写真が貼ってあるような。)
現役の江戸甲冑師である祖父の影響も「作り手の目線」に少なからず絡んでいると思います。一言でさらっと述べるには軽すぎますが、クラフトマンシップの塊みたいな考え方が根底にある気がしています。
シャツに続きニットがマイブームなのでどうしても着たかった。名古屋ではある日を境にとても過ごし易い気温になったのでようやく買っていたものをおろせました。
暗めのアイテムに目が行きがちな秋冬こそパンツは明るめ。
こういうカラーをさらっと持ってこれる人はとてもおしゃれだなぁと街やスナップを見て感じます。
もっと本格的に寒くなってきても、コートやダウンから覗かせるこのブルーがきっと華やかに僕らのスタイルに落とし込んでくれる。
ウォッシュの風合いもかなり計算されて作られており、まだまだ僕らが穿くことで味が出てくる余白とこのままでいいじゃんと思えるほどの完成度のバランスが秀逸ですね。
同じ形の濃いインディゴは、お気に入りのブルゾンに袖を通して。
僕の秋冬スタイルの定番はもうこれになりそうです。
まじでなんてことない合わせですが、これが良いんです。
街ですれ違って二度見されるような華やかさはないけれど、無骨で背中で語る感じ。
つらつらと縫製やらなんやら語りましたが、シンプルにかっこいいです。こういう想いの籠ったアイテムを飄々と穿くのにロマンを感じる。
よく見たらなんじゃそりゃとなるような、普通ですって顔してるのにさらっと生地めちゃくちゃ良いみたいな。そんな変な(普通な)物に惹かれます。
某501と比べるとウエスト幅や裾幅など現代に着用する上でよりニュートラルに使っていただけるような形かなと。
皆さんが思われている以上にゆとりがある形になっているので、年齢問わず皆さんにおすすめです。ウエストを合わせにいってレングスを調整するのが一番綺麗に穿けるかなと感じているので3サイズばっちり揃えました。
何より、日本人がパターンを起こして作っているので個人的には某ブランドよりもはるかに相性がいいです。(身長が低いから。)
安っぽく聞こえますが、穿いたら分かるってやつですかね。
太くも細くもない、足が綺麗に見えるバランス。
奇抜に振ってもシンプルに振っても必ず支えてくれる名脇役的な存在です。
採用しているコットンも流石と言わざるを得ません。
世界三大綿の一つとされるスーピマコットン。アメリカの南西部の特定地域に絞り、厳格な基準をクリアしていることがスーピマコットンと認められる条件で、肌あたりが最高です。
このスーピマコットンを使用したアイテムは僕自身も大好きで、シルクと間違うくらいにしなやかで気持ちが良い。シンプルに耐久性も高く、日常の中で乱雑に扱ってもその余裕っぷりはぜひ体感して欲しい。
当たり前ですが、ウォッシュと比べるとハリ感があって穿き潰していく過程でもワクワクを味わえそうです。濃い目のインディゴはスタイルの引き締め役として活用するのがベターだと思います。
縫い手にとって一番合理的なやり方をしているからこそのコインポケット。ウエストに沿って繋がっているようなディテールになっています。
このディテールが意外と表面から見えるので、他のブランドと区別する分かりやすい指標になるかなと。
言われてみないと分からないアイテムがannexでは多々ありますが、小さな違和感を皆さんにも感じていただきたいです。なんでこれはこうなってるんだろう。と素直な好奇心に身を委ねてみるのも偶には良い。
ひっそりと陰に潜むこだわりに目を奪われていくうちに気がつけばユースの虜になっていることでしょう。
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1LDK annex 杉浦
September 26, 2025, 5:30 PM
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