大人の本気。
こんにちは。1LDK annexの杉浦です。
ジブリ作品がリバイバル上映され、歓喜です。
特段ファンというわけでもないですが、あらゆる事象や行動に対して良し、悪しの判断が付かないあの感じがなんとも言えなくて。
ジブリの作品は、もはや文化だとも感じます。多分、誰に聞いても好きな作品は一つあるはず。
手描きの生々しく生命力を感じる描写。脚本、キャラ、食事、音楽など挙げだしたらキリがないくらい全てにおいて”大人の本気”をカマしてきます。
本気出してる大人ってかっこいいよな。
ありがたいことに、本気出している人と会いやすい環境にいる気がします。
でもそういう人って、ホンキ!マジ本気!みたいなハツラツとしたエネルギーを外に出していないんですよね。
話を聴いているうちに。何気ない所作。さらっと垣間見える内側の熱量の異常さにブルッとなります。
失礼なことですが、僕の中で変な人のカテゴリーに属する人たちが僕に本気を見せてくれる傾向にある。
だから僕は変な人、大好きです。変な人にあったら、ラッキーと思ってます。
そんな変な人が制作したアイテムがこちら。
“PANTS(261-03005)”
COL: INDOGO
SIZE: S / M
¥52,800 tax in
1906年、明治時代の思想家・美術研究家である岡倉天心(岡倉覚三)が、「The Book of Tea」という本を英語で執筆し、ニューヨークで出版しました。
タイトルの名前から茶道の手引書を日本人が執筆した著書と思われがちですが、実際は、茶道を切り口に東洋および日本の潜在的な美意識、精神性を西洋に向けて紹介した思想書です。
その本の一幕で、唐時代の茶人たちが理想とした「お湯の最も美味しい沸かし方」を指す言葉で、YOUTH OF THE WATERと表現したのがブランド名の由来です。
「沸騰したやかんに一杯の冷水を注ぐことで、湯を落ち着かせ、再び”YOUTH OF THE WATER(水の若返り)”を取り戻させた。」
天心はこの行為を、ただめっちゃ美味いお湯の沸かし方を提唱しているだけではなく、自然の摂理と向き合い、対等な関係で最高の一杯を追求する茶人たちの真摯な姿勢として紹介しました。
今の話は、「茶の本」第二章の中ですが、YOUTH OF THE WATERを語る上でもう一つ大事な章があります。
日本人の自然観を語った岡倉天心の「茶の本」第六章、”花”。
茶道における生け花を題材に、自然とは支配するものではなく、あるがままの姿を尊重する姿勢こそが、寄り添う不断の友であり、生から死まで人間の暮らしに欠かせない存在である。
自然を友人と。そう表現するんだ。
エゴの対象でもなく、崇拝する対象でもない。あくまで対等な関係だと。
展示会でお話させていただくと、決まって作り手の方達の温度感が伝わってきます。
異なる本や衣服、文化からインスピレーションを受けている YOUTH OF THE WATER が伝えたいキーワードは一貫して”対等な関係”。
小難しい言葉を並べていますが、こうして僕の普段の生活には決して交わることの無かった領域にヌルッと入るきっかけを与えてくれるのもユースの魅力です。
衣服という土台を形成して、そこに何を積み上げるのかを私たち消費者に促す。
毎日、毎日忙しくてルーティンワークをこなし、思考する時間を持たないことは勿体無いぞ。そう言われている気がして背筋がピンっと伸ばされ、目の前のモノは、勝手に産まれた訳ではないと改めて感じさせられる。
ある程度、ブランドに対して共感や好意、リスペクトがなければ成り立たない取り組みだと思います。
だからこそ、伝え方が回りくどく感じてしまうかもしれません。これを書いている自分ですらそう思います。
まぁまずは、ユースを好きになっていただければおっけいです。
上田さんの私物「The Book of Tea」。ブランド名の由来になった英文が記載されています。
ふぅ。なんか疲れましたね。
この序盤だけでも異質さが少し伝わったと思います。
引用元から思想の幅まで、飽きることのない情報量に戸惑いつつも、上田さんという人への好奇心がやみません。
何食べたらこんな思考になるんだろう。
グミとか食べるのかな。
食べないか。
今回紹介するパンツは、FINXコットンのシャンブレー。
ただでさえシャンブレーは薄手で軽いのに、超長綿のおかげでよりしなやかに、カシミヤのような肌触りとシルクのような光沢が際立ちます。
タテ糸とヨコ糸の色を変えることで色ムラをつけるのが一般的なシャンブレー。
こちらも当然、タテ・ヨコと糸の色を変えていますが、それにしては不規則な色ムラですね。
その秘密は、織り機。
このシャンブレー生地は、旧式の織り機を使用して織っています。通常旧式の織り機には糸を安定させるために錘(おもり)が付いているのですが、錘をあえて外して織られているのがこの生地です。
安定させるものを取り除くと不安定になるのは言わずもがな。
そうすることで織っている最中に振動が加わって、糸に掛かるテンションがズレていきます。その不均一なズレで織りムラを出しているのがコチラのパンツ。
ある程度関係値がないと、職人さんに錘を外してくれ。なんてことは言えないだろうし。でも実際に実現できているということは、上田さんの人柄あってこそ。
そういう意味も含めて、展示会で感じる作り手の温度感が伝わってくる衣服だと思います。
ユースが制作するパンツは、生地はかなりこってりしているのに対して形はスラックスのような綺麗さを持っています。
この独特なギャップが着た時にとても活きてくる。華奢とは言えないけれど、クリーンさは担保しつつ無骨さもある。
暗い色を好む僕にとって、明らかな発色の良さはネガティブな要素ではありますが、春夏にしか挑戦できないとも思っています。
物理的に暗い色は暑いし、、。色物でテンション上げたいし。
せっかくシャンブレーを選ぶのであれば軽やかにカッコつけたいので、あまりごちゃつかずに、薄いニット、シャツ、ロンT、Tシャツなど一枚で完結するのが好きです。
クラシカルなポケットフラップであったり、横ポケット内に小ポケットが付いていたり。
些細なディテールも魅力なのがユースです。
製品ブリーチ加工を施しているのでシワ感と柔らかい表情が印象的に映ると思います。ただでさえ、細くてしなやかな生地なのに、加工のおかげでよりヘニャヘニャに。
シャンブレーが春夏の時期に選ばれる理由が分かった気がします。軽くて、薄手。デニムのようなタフさも持ち合わせている。霜降りの淡いブルー。
なるほどな。
今でこそ黒やグレー、ネイビーばかり手に取っていますが、実は根っからの青好き。
小さい時から好きな色聞かれた時は絶対青って答えていたし、身の回りの自分で揃えられる物はとりあえず青を選んでいました。
でもランドセルだけは黒を選んで心から良かった。あの時の自分。マジでナイス。ランドセルは黒よ、、。
シャンブレーってかなりコテコテで、土臭さが拭いきれない感じがしていましたがユースのシャンブレーは非常に前向きです。
選定する生地が最高というのもあります。でも一番は、パターン。
全体的にゆとりを持ちつつも、体のシルエットを活かした生々しい綺麗さを持つ。
元々パタンナー出身なので、シルエットや洋服の基本的構造に対して、僕は絶大な信頼を置かせていただいています。
実際、洋服の作りで分からないことがあれば一番に頼るのは上田さんです。
コレクションのラインナップ的にも表面上は比較的静かなので、ほぼほぼ着てみないと違和感を覚えませんが、着たら分かる。
軍服を参考にディテールを詰めていくことが多いので、こういった裾の仕末の補強など、細部に対しても妥協点を全く感じません。
あくまで、今の時代に適したディテールなのは前提です。
ウエスト内側にサスペンダーボタン。タックインした時にシャツがズレにくく、ウエスト部分の型崩れも防止できるマーベルト仕様。
こういったディテールはクラシックなトラウザーの要素です。
あくまでトラウザーとして扱いながらも、シャンブレーだからこそ堅苦しさを感じないカジュアルな柔らかさ。
その結果、穿きやすい。
上田さんは、自分からガツガツ話すタイプでは無いけれど、実物の衣服を見るとすごく人柄が見えますね。
衣服に語ってもらうスタンスのブランドです。
金額のハードルをも超え、自分の衣服に対するモチベーションにも繋げてくれる。
触って、着てみてください。その一言が似合うブランド。
ぜひ、店頭で。
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1LDK annex 杉浦
June 14, 2026, 10:00 AM
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