title「僕にとってはこのブランドも、そんな大きな塊のひとつなんです」   ~『OLL』インタビュー~

 

Lesca LUNETIER “Vintage / New Vintage”

VAGUE WATCH CO. “Vintage / New Vintage”

『OLL』

 

きっと『Noritake』と聞くと、自然とあたまに浮かぶイラストのイメージがあるだろう。

電車に乗っているとき、本屋さんをぶらぶらしているとき、家でくつろいでいるとき、いまでは日常のあらゆるシーンで出会うようになった『ノリタケさん』は、いつも見知った顔をしているような気がする。

 

ここに、ひとつのイメージがある。

無個性な白と黒が規律よく並んでいる様子は、一見するといつもの顔とは違うけれど、実はこれも同じ『ノリタケさん』の仕事。

日々の生活に必要な文具・雑貨をつくる『HIGHTIDE/ハイタイド』が、イラストレーター『Noritake』をディレクターとして迎え、”OLL”という新しいプロダクトシリーズをつくった。

 

 

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STAFF三好(以下M):唐突と言えば、唐突ですよね。世間で出来上がっている『ノリタケ像』みたいなものがあるとしたら、それを覆すような印象になっているのかなと。まず、きっかけは何だったんですか?

ノリタケさん(以下N):ハイタイドさんとは、2年前くらいに何かのレセプションパーティーで知り合ったんです。たしか、知り合いの紹介か何かで。そのときに、「一緒に何か作りませんか?」と軽く誘われて。ただ、常に自分の作りたい物は自分で作っているから、それとは別に0から1を作る気力ってなかなか湧かないんです。だから、最初はそんなに乗り気じゃなかった。

M:アイディアとしては、どんな風に出てきたんですか?

N:ハイタイドさんと僕は、それぞれノートとかカレンダーとか似たようなジャンルのものを作っているから、自分で作っているものと同じようなものを作るのはあまり意味がないと思いました。だから、「『僕らで』作るとしたら何だろう」という軸で考えたんです。

M:無地にするっていうのは、最初から決めていたんですか?

N:ハイタイドさんからは、商品にイラストを入れるということに対して消極的な時期に提案をもらったんです。ちょうどその頃は、自分の身に着ける物が無地ばかりになっていたタイミングで、それと同時に、自分の使う物と自分のイラストを入れて作る物との境界が非常に明確化されていた時期でもあった。だから、基本的にイラストを入れるときには、誰かに使ってもらうことを想像して描いていました。その時期を経てから、それまでより注意深くイラストを扱うようになったと思います。

M:「イラストを描かない」という選択が増えたということですか?

N:僕はもちろんイラストレーターではあるんだけど、イラストありきで仕事をしないっていうのを基本的な姿勢としていて、何か依頼をいただいたときには『その企画にイラストが必要なのか?』をまず考えるんです。「僕が関わるより他の人の方がいいんじゃないか」とか、「写真の方が合ってるんじゃないか」とか。まぁ、基本的には『描く』可能性を見つけていくんですけど、今回は描かなくても成立しそうだし、ハイタイドさんにもそれで許してもらえたから(笑)。

M:でも基本的な思想みたいなものは、たとえイラストがなくても現れてますよね。きっと1LDKのお客さんや世間一般の人には新鮮に映るかもしれないけれど、ノリタケさん本人と話すことの多い僕なんかは、「ああ、ノリタケさんらしいな」と感じる。

N:そうかもしれないですね。それでも、”OLL”のプロダクトを使っているうちに、「ノリタケが作った」とか「ハイタイドが作った」とか、そういうことはきっとすぐに忘れてしまうと思うんです。本当は、僕の名前も出したくはなかった……。

M:ノリタケさんの、そういうひねくれたところが出てますよね(笑)。

N:え、出てます……?

M:出てます(笑)。

N:うそ……、ちゃんと消したはずなのに(笑)。

M:ブランド名には、どんな意図や想いを込めたんですか?

N:特に無いんです。最初は、『BLACK』とか『WHITE』とか、『Noritake』とか『HIGHTIDE』とか、パッと思いつくワードを組み合わせたりしてましたが、どうもしっくりこなくて……。それで、3文字で縛ったアルファベットの並びをいくつも書き出してみることにしたんです。そして最終的には、『OLL』という字面で決めました。一番簡素で、それでいて何か潜んでそうな字面。イラストとかデザインとか、そういうものを最終判断するときの感覚に近かったかもしれない。あとから『OLL』について調べてみると、『OK』の語源の一部だということがわかったりして、ハイタイドさんからも「良いじゃん」って。

M:たしかに、記号のようにも見えますね。特にこだわったアイテムはありますか?

N:スリーブシリーズの角丸具合なんかは、何度も試行錯誤しましたね。「こっちの角を丸くすると、あっちの角が問題になってくる」とか、「こことここを丸くすると、出口・入り口みたいで格好悪い」とか……。あと、ノートの紙色も、ああでもないこうでもないとじりじりやってました。自分一人でやっていたら、きっとあそこまでサンプル検証しなかったでしょう。ハイタイドの皆さんが常に動いてくれたから、ほとんど妥協なくまとまったんだと思います。あとは、素材にもこだわっています。最初に、合皮、紙、ナイロンという3つの素材を使うことを決め、それぞれをどのアイテムに振り分けていくか考えていったんです。

M:このイメージビジュアルも、ノリタケさんが作ったんですか?

N:これは、グラフィックデザイナーの岡崎智弘さんに撮ってもらいました。とても精緻なコマ撮り動画を得意とする方なんですけど、一枚絵で見たときの清潔な感じのする見立てが以前から好きで。一緒に位置関係などを話し合いながら撮影していきました。彼の丁寧さと僕の適当さが、ちょうどよくブレンドされていますよね。一見規律があるように見えるけれど、感覚的に「いいな」と思えるかどうかが最終的な判断基準でしたね。

M:”OLL”以外にも、今後こういったプロダクトシリーズを作る予定はありますか?

N:いまのところ具体的には考えていません。ただ、イラストを描いたり物を作ったり、地続きでモノづくりをしているという意識は常にあります。こっちではハイタイドとやっていて、あっちでは別の何かをやっていて、またこっちでは……、といった具合に。その全部が仲良く世の中に存在していることをイメージすると、さらに新しいものを作っていこうという気持ちが芽生えます。僕にとってはこのブランドも、そんな大きな塊のひとつなんです。もちろん、全員にそういう目で見てもらわなくていいんですけど、自分の中では点と点の間にぼんやりとした繋がりがあるのは面白いのかなと思います。

 

 

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“OLL”は、「いい佇まい」や「使い手が考えられる余地を保つこと」、そんなイラストレーター『Noritake』が日頃大切にしている価値観を反映させたプロダクトシリーズ。

白と黒の一見無個性なそれらも、いつもの『ノリタケさん』の、あるひとつの顔なのだ。

 

 

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