ドキュメンタリー写真への旅
こんにちは。
1LDK apartments.の佐々木です。
気づけば9月になっていて、
夜は少し涼しくて段々と秋の訪れを感じる瞬間が増えてきました。
そんな中でも、やっぱり私が季節の訪れを感じる一つはアイテムの入荷。
今季もあのブランドから旅の軌跡と一緒に、アイテムが届きました。
seya.
AWはドキュメンタリー写真への旅をしました。
SK’groveはイギリスの北ヨークシャー海岸にある、名も知れない、何もない、小さな漁村です。
ここはドキュメンタリー写真家のChris Killipが1982-84年にわたってそこに住む人達を撮っていた場所です。
ずっとChris Killipの写真が好きで、いつかここに行ってみたいと思っていました。
40年経った今もSK’groveは写真のままの空気でした。
表通りから隠れたところにある、時間が止まったような海岸。
古くなった漁船が捨てられたように陸に置かれている、海藻が岸に打ち寄せられている、広い砂浜と岩だけの海岸が防波堤でちょうど二つに分けられているところです。
冷たい風が吹いている。
Chris Killipがそこに通い、その空気と住人と顔馴染みになり、それぞれの性格と人生を知り、そうしてその人たちが永遠に生きるように、記憶として撮ったのがそれらの写真です。
それぞれの人を認め、それぞれの人生に文脈を与えたい、と。
そこには何の批評も干渉もなく、生の人間がいます。
ある社会、脱工業化の暴力的な社会の終焉での日常の中の人たちでした。
Killipとの深い信用関係で撮られた写真は新鮮です。
美しい外見の人たちではないけれど、Kilipの視点から捉えられた彼らは、見る人に暖かさ、時には悲しさを伝え、繊細で魅力的です。
彼らは自分であることに自信を持って思う存分生きているように見えます。
写真はそれぞれの彼ら自身がまとう空気を真っすぐに捉えている。
ドキュメンタリーの写真を考えた時、ファッションもドキュメンタリーのように捉えたいのだと気が付きました。
その服を着ていると自分自身になれて気持ちがいい。自分であることを守られているような。自分を包んでいるものがある。個人的なスペースを守る服。Killipの写真の中の人達のように生で真っすぐできれいに見え
る。
人の美しさを出したい。人を美しくするのではなく。
毎シーズン、seya.のLOOKは楽しみの一つです。
写真を見ているだけで自分を旅に連れて行ってくれる、そんなLOOKです。
写真の中に映る服たちの風景との溶け込み方。
その土地の文化的価値の解像度の高さ、捉えた景色を形・デザイン・色彩に落とし込む技術と美しさ、全てが重なってできるコレクション。
今季のアイテムも本当に美しいアイテムばかり。早速ご紹介させてください。
“SASHIKO JACKET”
COL : OAT MILK
SIZE : 3
¥96,800 TAX IN
襟元のリベットの留め金がポイントのミニマルなジャケット。
丸みのある襟は折っても立てても着用いただけます。
生地は刺し子生地の3重織。
刺し子生地とは、布の補強や保温のために装飾的に糸で刺し縫いを施した厚手のコットン地のもの。
3枚重ねることによって空気を含み、夏は涼しく、春先は温かみもあります。
刺し子ステッチが施してあることによって丈夫で耐久性に優れ、家庭での洗濯も大丈夫です。Seya.の1stコレクションから人気のある素材です。
胴回りはすっきりと見えるようなパターン。メインではもちろんですが、インナー使いにもしていただきやすいかと。
スナップも隠すことによって、よりミニマルな印象に。
レディースサイズは執筆中に完売してしまいましたが、メンズの方はぜひ試しにいらしてください。
“ETERNAL SHIRT”
COL : CHESTNUT
SIZE : 3
¥61,600 TAX IN
“LINED TAILOR PANTS”
COL : CHESTNUT
SIZE : 1 / 3
¥75,900 TAX IN
定番のシャツと、共地のパンツ。
もちろんセットアップでの着用もおすすめです。
生地は柔らかく、しかもコシがある落ちのいい上品な細かいツイード生地。
無地に見える色合いに細かいツイードが起伏をあたえて、微妙な素材感を出しています。
微光沢感のあるレーヨンにウールを巻きつけた糸を経糸に使用しています。
レーヨンならではのドレープ感が美しく、とろみのある素材感が秋らしく今の時期から着たいアイテムです。
少し別々にみてみましょう。
シャツは定番で展開されているETERNAL SHIRT。
シャープなトップステッチが施されていて、大きめのポケット、メタリックなフロントボタンがアクセントになって生地とのバランスがちょうどいい。
ルーズフィットなので、レディースの方に着用いただいても可愛いと思います。
本来裏に来るはずの耳をサイドに施したパンツ。
ウールツイードの、フリンジのようなデザインが特徴的です。
落ち感が綺麗で、下にストンと落ちるシルエット。
個人的には秋なのでゆるっとしたトップスにゆるっと合わせたい気持ち。
こちらはメンズレディースどちらのサイズもご用意しております。
ぜひ店頭で合わせてみてください。
“CLOUD KNIT BLOUSON”
COL : CRIMSON GRAY
SIZE : 1 / 3
¥143,000 TAX IN
定番の7GG knitをブルゾンに、贅沢にヤクを100%使用し暖かさと柔らかさを兼ね備えた一着。
ふわっふわ。 その一言に尽きます。
このニット、すごいのがポッケの中までヤクを使用しているんです。
贅沢すぎます…。
冬場って何かとポッケに手を入れるじゃないですか。
その時の触り心地の良さといったらもう、たまりません。
ルーズに編んで一度軽く洗い、少し縮めているので生地の強度も上がっています。
かなりルーズに着用いただけますので、メインでしっかりと羽織っていただくことがお勧め。
色味も本当にいい。海辺に打ちひしがれた海藻のような色味だなと、なんとなく思いました。
奥行きのあるグレーが素材と相まって、着るはもちろん、見た目からも暖かく優しい気持ちになる、そんな一着だと思います。
” TOFU BROTHER JEANS”
COL : FADED INDIGO
SIZE : 0 / 1 / 2
¥68,750 TAX IN
長年履き潰したかのような、しんなりとした風合いになるまで長時間ストーンバイウォッシュをしてさらにブリーチをした後、ハンドスプレーで後全体と若干脇より前寄りにスプレーを吹きつけた一本。
一本の中で全く表情の異なる、なんとも言えない満足感のある一本。
私はこのデニムを見て、なんとなくスキニングローブの写真で見た路地裏の壁と海を想像しました。
ブリーチの抜き具合、色の濃淡、スプレーの軽やかながら重たさのある色味。
なんとなくですが、この一本からいろんな情景が頭に浮かびました。
瀬谷さんは何をみて、この色味に仕上げたのだろう。
このパンツは前から見ると影があるように見え、視覚的に細く見えるようになっています。
色味は非常に計算され複雑ですが、デザインは極限まで洗練された無駄のないミニマル。バランス感が美しい一本です。
定番のTOFU JEANSもレディースサイズが入荷しております。
併せてチェックしてみてください。
今回このコレクションをきっかけに、Chris Killipの撮るスキニングローブの写真が気になって見てみました。
少しですが、こちらからも見ることができますので、気になる方はぜひ。
私が見ることのできる範囲で見た写真で、一番印象強かったのはそこに映る人の表情。
「スキニングローブの漁師たちは、目の前の海は自分たちの私有地であり、自分たちだけのものだと信じていました。」
この言葉の持つ意味、瞬間を写真に収めることができたのは、彼自身が彼らと関係を築くことができたからなのだと、より強く伝わってきました。
そしてこの街は、この人々は何色をしているのか。
彼の写真は全てモノクロなので、実際の色味までは想像することしかできません。
見る人によって視える色が違う、そんな写真に色をつけたのが私は今回のseya.のコレクションだと思います。
ぜひその色や生地の美しさを店頭で見ていただけたらと思います。
皆様のご来店、心よりお待ちしております!
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