「Style Broker」
こんにちは。
1LDKの柳沼です。
今週末は発売商品がたくさんあり、毎日準備に明け暮れています。
その中でも、僕がとっても楽しみにしていたブランド
『The DUFFER N NEPHEWS』
こちらも今週末26日(土)のローンチです。
instagramには約1ヶ月前からルックが公開されており、密かに心踊らせていました。
そして、昨日やっと店舗に届きやっぱり良いじゃん、と。
そんなDUFFERに関してですが、展示会に行くまではほぼ無知と言っていい状態。
なのになぜ、こんなにも推したいのか。
今回ローンチとなるThe DUFFER N NEPHEWSは、1980年代にイギリスのストリートシーンにおいて一世風靡を巻き起こした”The DUFFER of St. GEORGE”の新たなレーベル。
まずはその大元、”The DUFFER of St. GEORGE”について掘った話が必要不可欠。
“The DUFFER of St. GEORGE”
1984年にイギリスで創業。
国や文化の垣根を超えたプロダクトをキュレーションしたショップに始まり、独自のコレクションを展開するブランドとしてロンドンのストリートシーンで確固たる地位を築いたブランドです。
創業メンバーは4人。
『Eddie Prendergast』
『Marco Cairns』
『Clifford Bowen』
『Barrie Sharpe』
彼らが中心となり、まずはロンドン・カムデン・マーケットにてヴィンテージアイテムの販売を行うショップからスタートしています。
当時ロンドンではアメリカ古着が浸透しておらず、そこにRed Wingや後に欧州で大人気となるCarharttのジャケットを初めに持ち込んだのは彼ら。
1985年、ロンドン・ポートベローにThe DUFFER of St.GEORGE初の店舗をオープン。
彼らの凄かったところは、アメリカものを持ち込みアメリカ色に染まるのではなく、イギリスらしいトラッドやイタリアの抜け感など多くの要素をMIXして自分たちで体現していたこと。
今となっては普通のことですが、当時はそのジャンルレスで垣根の無い提案が真新しく、UKストリートにおいて注目を浴びました。
そして、同じ時を流れていた『Buffalo』の存在もDUFFERを語る上で欠かせません。
『Buffalo』とはスタイリスト・写真家・モデル・ミュージシャンらで構成されたクリエイティブ集団。
特に目立っていたスタイリストの『Ray Petri』は、”スタイリスト”という業種を生み出したと言っても過言ではない存在です。
当時はスタイリストなどという職はなく、撮影となれば衣装を持ち寄り決まった照明・構成で撮影をする。スタイリングを組むことに重点はなく、注目されない存在の役目でした。
しかしRay Petriは、洋服だけでなく缶バッチ等の小物を沢山持ち寄りモデルを着飾っていくということを。それは媒体のクレジット記載に載せきれないボリュームとなり、その結果「スタイリスト:Ray Petri」という表記がはじまりました。
そこからスタイリストという職が広まり確固たるものになったという、なんとも偉大な方です。
そんなBuffaloと、DUFFER。
彼らは、ミュージシャンがメンバーにいたこともありますが、ノーザンソウルやアシッドジャズといった音楽との結びつきも強く、ファッションだけでなく自然体な彼らのスタイルが注目されていました。
実際、DUFFERはオリジナル商品も作ったわけですが、これといって目立ったディテールやデザインのアイテムがあるのではなく、比較的普通。
展示会時に置いてあったアーカイブはめちゃくちゃカッコ良かったですが、それは前情報があり背景を知った上で見ているから。
当時その服だけをみていたら、そんなすぐビビッとはこなかったことでしょう。
しかし、そんな普通なアイテムを、彼らなりに編集して、MIXして組まれるスタイリング・スタイル、それがかっこよかったんだなと。
今の時代はもっと必要ですが、当時から人として・集団としての能力・力・引き寄せるものがあったのではないでしょうか。
そして彼らは自分たちで「Style Broker」という言葉を掲げていました。
その名の通り、既存のスタイルを壊す。
これは、まさにカテゴライズされすぎている現代において必要な要素。
たまにファッション紙をみていると、スタイリングのカテゴリ・テーマが書かれていますよね。
ああいうのも昔は不明確だったもの。
はっきり○○です。って言えてしまう今の時代ってなんか悲しくも怖くも感じます。
個々が自分なりの着方をすれば良いはずなのに、他所からの視線を気にしてなのか守りに入ってしまう。
もちろん生活していく上で、社会で生きていく上で最低限のルールは守るべきですし、スタイリングを組む上での時代背景や相性もあります。
しかし、心の中に反骨的な「Style Broker」があっても良いよなと。
DUFFERの歴史を掘る話からは大きく離れ僕自身の思想へと繋がってしまいましたが、
要するにそういうファッション・生活の楽しみ方も必要だなって。
そして、次なる”NEPHEWS”は
英語で「甥っ子たち」という意味。
1980年代、その時代を近からず遠からずな距離で見てきたNICENESSの郷さんが手がけます。
背景についてまだまだ話し足りないことが多いですが、その辺は店頭で話せればなと。
明日は切り替え商品の紹介を。
ぜひご覧ください。
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ふと、こう考えるときがあります。
ファッション・カルチャーって飽和状態だなと。
ここから先、新しいモノ・コトを生み出すって、凄く難しいことだよなー、、と。
でもそれは、先にしか目を向けていないから。
過去に目を向けてみると、沢山のヒントが隠れているなんて
一つのきっかけで、大きく視点は変わります。
僕にとってはDUFFERが、そのきっかけになったブランドのひとつです。
1LDK 柳沼