歴史が届ける、機能美。
i’m here : 26AW Launch Event -Item Pick Up-

皆様こんにちは。1LDK松永です。
突然ですが、私は工業高校に通い、その後も約6年間、工場で働いていた過去があります。
毎日当たり前のようにワークウェアに身を包んでいたからこそ、それらが持つ機能性や
「人を守る」という目的は、衣服として最も大切な本質が詰まっていると身をもって実感しています。
だからこそ、過酷な労働を支えてきた歴史的衣服に光を当て、
現代の日常着へと静かに昇華させる T.T の洋服には、どうしようもなく心が揺さぶられてしまいます。
今回は、それぞれのアイテムのベースとなった背景と、細部を構成する圧倒的なディテールを、
いつもより深くお届けいたします。

ベースは、ニューヨークで見つけた1910年代のドレスシャツ。
当時は白無地ドレスシャツを持つことがステータスだったと。
必要最低限の枚数で着回すために生まれた「デタッチャブルカラー(取り外し可能な襟)」。
その名残をそのままデザインに落とし込んだ一着。
肩傾斜がない肩線や、脇の詰まったアームホールに真っ直ぐついた袖など、
直線的な構造で形成されているのが最大の特徴です。
コストを意識した大量生産の背景が感じられます。


そして目に止まるのが生地の表情。
「INDIGO」は20世紀初頭のウォバッシュ生地を再現し、日本の着物に見られる雪の結晶柄に抜染。
一方の「SUMI(墨染め)」は、浮世絵の雪を表現する顔料である“雲母(きら)”を用い、
職人の手によって、一つひとつ染められています。
アメリカの合理的な構造に、日本の伝統美が静かに宿る一着です。

“LOT.722 US LETTER CARRIER DB JACKET”
ブランドの定番であるLOT.322をベースに構築されたジャケット。
“もし当時、デニムを使った郵便配達員のワークウェアが存在したら”という、
デザイナーのロマン溢れる想像から生まれたモデルです。
ほんの少しだけ抜染を施したオリジナルのウォバッシュストライプ生地を一から作成しています。


バイオウォッシュ加工を施すことで、何年も着込まれたかのような風合いを引き出しています。
さらに、ベースとなったLOT.322よりも意図的に袖山を下げるなど、腕の可動域が広がることにより実用的なワークウェアの薫りを感じさせる再設計。
この絶妙な調整が、袖を通した時の収まりの良さと、独特の渋い佇まいも生み出しています。
やはり、動き易さこそワークウェア。

先ほどのLOT.722の組下として作られた、定番LOT.201のスラックスタイプワークパンツ。
私自身、工場でタフなワークパンツを穿き潰してきたからこそ、
この生地の「タフなのに動きやすい軽さ」には感動しました。


ワークパンツでありながらスラックスタイプという絶妙なバランスのおかげで、
腰回りの収まりがとにかく綺麗です。
ライトオンス特有のしなやかさによってストンと美しく落ちるストレートシルエット。
ぜひ、ジャケットとのセットアップで味わっていただきたい一本です。


“LOT.413 BRITISH POSTAL WORKER COAT”
1950年代頃のイギリスの郵便局内において、作業員がネクタイとベストの上に羽織っていたワークコートがベース。
荷物の仕分けなどを行う倉庫内において、服を汚れや寒さから守るオーバーコートとしての役割を果たしていました。
オリジナルのヴィンテージが持つ特有の強いフレア。
これは着込むためのスペース、足の可動域を考慮した労働における安全、機能を重視したディテールの一部です。
当時のクラシックな品格を色濃く残しながらも、現代の街に溶け込む洗練されたシルエットへ調整されています。


実際に羽織ってみると、ワーク特有の「重さ」や「動きづらさ」が綺麗に取り除かれており、
非常に着やすいバランスに仕上がっています。
バサッとラフに羽織るだけで様になる。そんなワーク。
こんなワークウェア。当時の作業はおそらくかっこいいに違いないな。


USPS(アメリカ合衆国郵便公社)とGPO(イギリス中央郵便局)のヴィンテージバッグを巧みに組み合わせた、ハイブリッドデザイン。
ベースはアメリカの郵便配達用バッグのデザインを採用し、
肩に掛けるストラップ部分はイギリスの郵便配達員バッグの仕様を取り入れています。
アイボリーのタフなキャンバス地に配されたバックルによって、長さを自在に調節できるのがポイント。


ショルダーバッグとしてはもちろん、短くして身体にフィットさせるボディバッグとしても使用可能です。
まさに当時の「道具としての利便性」をそのまま現代に持ってきたような、使い勝手の良さ。
使い込むほどにくすんでいく真鍮パーツの経年変化。
各々のスタイルに馴染む商売道具のように、自分色に育てたいアイテムです。

服好きの心を深く揺さぶる歴史的背景。現代の日常に溶け込む洗練されたシルエット。
言葉だけでは語り尽くせないその奥深い魅力を、
ぜひ店頭にて、実際に触れて感じてみてください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
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1LDK 松永
August 25, 2026, 6:25 PM
Category: 1LDK Nakameguro Blog Matsunaga Shiraishi