仕組まれた変色、必然のフレア。
こんにちは。1LDKの松永です。
皆さんは、秋冬の準備は順調でしょうか。
店頭ではカラー物をお求めの方をよくお見受けする今日この頃。
生地やカラーで季節感を楽しむのもファッションの醍醐味ですよね。
そんな毎シーズン季節をちゃんと感じることができ、間違いない安心感を与えてくれる、
1LDKではお馴染みのブランド「URU」より、新作が届きましたのでご紹介させていただきます。


“COTTON CORDUROY – 5 POCKET PANTS”
シーズンごとに素材や加工をアップデートしながら展開されている、
ブランドを代表する定番の”5 POCKET PANTS”。
今シーズンは、コーデュロイ生地を使用した「新型のシルエット」で登場しました。
カラー名は「BLACK」となっていますが、真っ黒(漆黒)ではありません。
硫化染めを施し、さらにストーンバイオ加工をかけた、くすみのある独特なカラー。
この時点で、ワクワクしてしまう。
落ち着いて、まずはこの「カラーと生地の秘密」から解説させてください。


この独特な表情を作っているのは、「硫化染め」と「ストーンバイオ加工」の掛け合わせです。
硫化染めは、インディゴ染め(デニム)のように芯まで染まりきらず、
糸の表面だけが染まる特性があります。
そこに研磨石(ストーン)と酵素(バイオ)を加えて激しく洗うことで、
生地の凹凸部分や縫い目のアタリが擦れ、白く色落ちします。
コーデュロイ特有の縦の畝(凹凸)の「凸部分」は摩擦を強く受けるためかなり明るく色落ちし、
逆に「凹部分(溝)」には黒が比較的残る。
これにより、ただの黒パンツにはない、立体的な陰影が生まれます。

バイオ加工は綿繊維の表面を微生物に分解させるため、生地のゴワつきが取れ、最初から肌馴染みのいい快適な着心地に仕上がっています。
「でも、そこまで激しい加工をコーデュロイにかけたら、生地がボロボロに傷んでしまうのでは?」
そう思われた方、鋭いです。
ここで効いてくるのが、Cotton 85% , Polyester 15%という絶妙な素材の混紡比率。
15%のポリエステルを織り交ぜることで、生地に適度な強度が生まれ、
激しい洗い加工を施しても破れるリスクを減らしたタフな生地に仕上げています。

さらに、ここで先ほどの硫化染めが再登場します。
硫化染料は基本的に「植物繊維(綿)」にしか染まらず、「化学繊維(ポリエステル)」には染まりません。
そのため、あえて染まらずに白く残ったポリエステル糸が、まるでヴィンテージの霜降りのようにうっすらと表面に浮かび上がります。
コットンポリ素材に硫化染めを施すことで生じる、カラーのグラデーション。
そこにコーデュロイ生地 × ストーンバイオ加工が合わさることで、
URUにしか出せないフェードカラーが完成しています。

そして、この贅沢な生地を落とし込んだのが、今回の「新型シルエット」です。
形はストレートシルエットをベースに、裾を気持ちフレアさせた、これまた絶妙なライン。
ブランドは、新たな視点や想像力で原型を壊し、自らの線で新しい形に再構築したアイテムを展開しています。
今回もまさにそれ。

古着のリーバイス517のような露骨なブーツカットではなく、あくまでベースは美しいストレート。
そこに、現代のシューズを合わせたときに一番綺麗に裾が落ちるよう、
ミリ単位で“気持ち”だけフレアさせています。
パタンナー出身のデザイナーだからこそ引ける、本当に綺麗な線です。
タフで、最初から風合いが良くて、立ち姿が究極に綺麗。

独特なフェード感を生むための素材選びから、現代のシューズに合わせたミリ単位のシルエット設計まで。
古着のようなクタクタな「味」がありながら、プロダクトとしてのタフさと美しさを両立させているのが、URUらしいリアルクローズへのこだわりだと感じます。
風合いの良さ、タフさ、そして立ち姿の綺麗さ。
まさに三拍子揃った唯一無二の“新型”を、ぜひ店頭で体感してみてください。
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1LDK 松永
September 3, 2026, 5:23 PM
Category: 1LDK Nakameguro Blog Matsunaga