日本の美しいデニム
こんにちは。
1LDK AOYAMA HOTELの河上です。
本日紹介するのは日本最高峰の機屋、工場と直接コンタクトを取りながら、メイド・イン・ジャパンのスタンダードな洋服を創り続けるブランド:cantateが送る「日本の美しいデニム」
まずはブランド設立当初から作り続けるcantateのアイコン的デニムトラウザー。
“cantate”
– DENIM TAPERED TROUSERS – ¥34,000+TAX-
1LDK AOYAMA HOTELでは定番的にオーダーしているモデル。
その口コミで拡がったシルエットの良さから毎シーズン非常に短い期間で店頭から姿を消すアイテムでもあります。
ドメスティックブランドで三万円を超すジーンズ、しかも目立ったデザイン性も特に無いパッと見はシンプルな物。
と考えると非常にハードルの高いものの様に感じるのですが、
その価格的ハードルを簡単に飛び越える魅力は、実際に履いてみると確かに実感出来るはず。
素材はカリフォルニア・シエラネバダの雪解け水と肥沃な土壌で栽培された綿花:サンフォーキンコットン。
それを岡山の機屋で時間と手間をかけて丁寧に紡いだもの。
世界で圧倒的支持を受ける日本のデニム工場でユニオンスペシャルを使用して仕上げられた一本は、
生地と共に、これからのエイジングをとことん楽しませてくれるでしょう。
細かな隠しリベット・Vステッチ・ヴィンテージのTALON ZIPなどはもちろんのこと。
バックポケットからウェスト部分までの「ひと文字」と言われる縫い方。
あるいは1mmだけずらしたベルトループの縫い方。
デニムマニアも唸ってしまう様な凝った縫い方やディテールは持ちながらも、テーラードアイテムに合わせてさりげなく穿いてもらえる様に。
このジーンズはデザインされてます。
個人的にはサイドシーム部から持ち上げられる様に設計されたウェストラインがこのジーンズの穿き心地をよりよくしていると感じます。
ウェストをしっかりと包みつつ、ベルトを締めると共にヒップのシルエットを持ち上げる様な設計。
丁寧に手作業で取り付けられた水牛のボタン。
お腹にあたる部分で、金属アレルギーの方にストレスを感じさせない様に。
という気遣いもある一方で、全体の表情を上品に仕上げるディテールになっています。
特筆すべきは何よりもそのシルエットの良さでしょう。
太腿から裾にかけて細くなり、革靴・ジャケット等のドレスアイテムとの相性も考えて作られた理想的なバランス。
デザイナーさん曰く、
「その昔、アメリカの西部の男たちはドレスアップをするときに、ジーンズにセンタークリースを入れてブーツを履きましたが、このモデルもそんな穿き方が似合うでしょう。」とのこと。
センタークリースは洗濯をすると消えますが、ご自分のスタイルに合わせて再度クリースを入れ直すか、そのままカジュアルに履くかで使い分けをしても楽しいかと思います。
ここまでジャケットとの相性が良いジーンズは他にはありません…..
いや、あるにはあると思います。
ただ、個人的に見てきたそう言った物は特にイタリア物の特有の臭さを持っていたりと、手が伸びないものが多いのです。
ジーンズに対する思い入れはしっかりと詰め込みつつも、そう言ったこだわりをこれ見よがしに披露しないシンプルさと上品さが生み出す、穿くと自然とジャケットを羽織りたくなるジーンズ。
次は先シーズンより定番化したcantateの新モデル。
と言っても、アイテム自体はクラシックな501TYPEを現代的にモディファイしたアイテムなので、馴染みやすいモデルとも言えるでしょう。
“cantate”
– DENIM PANTS – ¥37,000+TAX-
先ほど紹介したDENIM TAPERED TROUSERは「スラックスの様に穿けるジーンズ」を目指したもの。
逆にこちらのDENIM PANTSは、本来のジーンズが持つコーディネートを気にせずにカジュアルに穿きこなせるより気軽さを感じるアイテム。
シルエットは程よい太さを持ったストレート。
「ジャストフィットで穿ける様に」開発されたこのデニムは太ももとヒップの納まりを工夫したモデル。
穿きやすく、ヒップ周りのもたつきも無く身体にフィットします。
デニム素材はリーバイスのヴィンテージジーンズの47年モデルをイメージしたもの。
当時のデニムは青さよりも黒さがあり、男らしいムラ糸と色目が特徴的。
そのムラを再現する為に縦糸を7番、横糸を7.4番に。
その特徴的な色目を表現する為に縦糸はトップ染のベージュに。
もちろん旧式の織り機で時間をかけて丁寧に織られたセルヴィッチ付き。
耳の色はピンクですが、洗いを重ねるごとに緩やかに退色していきます。
その縫製技術の高さが感じられる様な、裏まで綺麗なジーンズ。
ボタンフライのすべての釦を水牛釦に揃えた面は、持ち主にしかわからない様な特別な美しさがあります。
デニム・縫製・糸・リベット・ホーンが生み出す、正に彫刻品の様なアイテムです。
「ジャストフィットで穿ける様に」
その言葉通り、ウェストに合うサイズを選ぶとこのジーンズのシルエットの良さに驚くはず。
窮屈さを感じない腰回り。
もたつきも野暮ったさも感じさせない初めての感覚です。
ストレートにストンと落ちるシルエットに、男らしく溜まるクッション。
ジーンズから離れてしまった人を、もう一度ジーンズの魅力に呼び戻す様な一本。
「ジーンズは大きく履いてなんぼ。」
そう言う方もいるかと思います。
cantateデザイナーの松島さんは、「ジャストフィットに穿ける様に」と自ら考えて作ったジーンズを、すぐにサイズアップして穿いていました。
自分の気分次第でどうとでも穿けてしまうジーンズの懐の深さを持ちつつも、細部まで拘り抜かれた美しいジーンズ。
本当はこの流れでもう一型紹介する予定だったのですが、思った以上に長くなりそうなので明日改めて。
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