FRANK LEDER “OVERVEST FOR 1LDK”
FRANK LEDER “OVERALL FOR 1LDK”
こんにちは。
1LDK AOYAMA HOTELの河上です。
本日は企画を進め始めてから半年間(構想を得てから形にするまではもっと長い期間を要しましたが。。。)、リリースするのがとても楽しみだった別注発売の告知を致します。
2017年1月にリリースした”FRANK LEDER –OVERALL FOR 1LDK-“に続いてお送りする、FRANK LEDER別注第二弾。
前回はFRANK LEDERのコレクションを形成する上で欠かせない、彼の作業着である「ツナギ」にフォーカスした別注を。
FRANK LEDER “OVERALL FOR 1LDK”
そして今回は、僕自身にとって過去のコレクションの中でも特に印象深い1型をベースに作って頂きました。
それは「OVERVEST」
BASE SAMPLE
The essence “BLACK WOOL VESTJACKET WITH VINTAGE YOKE”
FRANK LEDERの本コレクションとは全く違ったアプローチからなる実験的コレクションライン:”The essence”
FRANK LEDERのクリエイターとしての部分に特化したコレクション。
“The essence”
2006年7月のパリメンズコレクション期間中、FRANK LEDERはミュージシャンのFLORIAN HORWATHとの新しいプロジェクトとしてThe essenceを発表しました。
その場所では、プロダクトの一切ない、そして言葉の一切発しないパフォーマンスが行われました。
The essenceの序章が始まったのです。
ラインナップはコレクションとは呼ばず、GRAINS(穀物)からなるHARVEST(収穫)と呼びます。
GRAINSは衣服からなるものであったり、物やアイディアが詰まった箱や瓶だったり。
自身のコレクションとは別のコンセプトでFRANK LEDERがすべてをオーガナイズしていいます。
(活動期間 No.1~No.17 まで展開後、現在はブランド休止中。)
今回の別注のベースとなる「BLACK WOOL VESTJACKET WITH VINTAGE YOKE」は、その”The essence”からリリースされていたオーバーベスト。
BASE SAMPLE
The essence “BLACK WOOL VESTJACKET WITH VINTAGE YOKE”
シャツの上、ニットの上などに着られるのは勿論のこと。
ジャケット/コートのインナーや、ジャケット/コートの上に重ねて着ても面白い、とても振り幅の広い一着です。
“The essence”でリリースされた物は表地に綾織りの縮絨ウールを使用した、シックながらFRANK LEDERの洋服の持つ男らしさを確かに感じる一枚。
生産数も少なく、手にした方はなかなかいらっしゃらないはず。
僕も存在自体は知っていましたが、その当時は手に入れる事が出来なかったアイテム。
「いずれ違う形で。」と、色々構想を練り続けていました。
そして、ようやくこの形に最良だと感じる生地を2017AW FRANK LEDERのコレクションから見つける事が出来た為、今回の別注に踏み切りました。
FRANK LEDER “OVERVEST FOR 1LDK” ¥68,000+TAX-
ベースとなるThe essence “BLACK WOOL VESTJACKET WITH VINTAGE YOKE”のパターンはそのままに、2017AWシーズンのFRANK LEDERの本コレクションで使われている「BLACK COTTON PADDED」の生地をはめ込みました。
また、この別注がFRANK LEDER 2017A/Wコレクションのストーリーとも融合するように、左サイドにボタン付きのパッチポケットを付けたデザインを足しています。
FRANK LEDER 2017A/W COLLECTIONのテーマは、
“DER UNSICHTBARE FEIND”「見えない敵」。
その洋服のディテールにおける全ては、情報の収集、敵陣の視察、偽装、情報監視、尾行にまつわるもの。
ただ単純に「1LDKのスタッフから希望があったから、単品として生地をはめ替えました。」というわけではありません。
FRANK LEDERの作る洋服は、シーズン毎に、一つ一つのガーメントがそれぞれストーリーの断片となって構成されているコレクション。
今回作った別注も、今回の2017A/Wコレクションの中の一つのピースとして、同じような存在感を持って溶け込みますように、というFRANK LEDER自身の意向も含まれています。
この荒削りにも感じられる、汚れも褪色も気にせずに使っていけるタフな表情がとても良かった。
洗いざらしの無表情のコットンツイル。
無骨なミリタリーのライナーの様な表情を生み出すポリエステルの中綿。
この生地を見た瞬間に「コレだ。」と、感じました。
ウールを使い上品な表情に落とし込む事も考えていました。
ただ、綺麗にまとめてしまうよりも、世代やスタイルを越えて、色々な方に着ていただきたい、と考えていた中で、この生地は本当にぴったりとハマってくれたと感じます。
例えばスケーターがチノパンにスウェットの上から適当に羽織っても。
(胸や背中からコケても痛くなさそうですし。)
テーラードベースのドレッシーな装いに。
このアイテムの持つ雰囲気を強調してワーク感溢れるアイテムと合わせても。
あらゆるスタイルに上手く溶け込みつつ、しっかりとらしさは主張出来るバランスに仕上がったと感じます。
一見コンパクトに見える前肩に振られたアームホール。
ボックスシルエットかと思いきや、腰回りにシェイプの入る男性的なシルエット。
野暮ったく、男らしい見た目からは想像も出来ないほど、着用したイメージは綺麗にまとまります。
ベースのベスト同様に、シャツの上、ニットの上などに着られるのは勿論のこと。
ジャケット/コート/ブルゾンのインナーにも、ジャケット/コートの上から合わせても。
ベースの物と比較するのであれば、中綿が入ることにより、ぐっとアウターに近い面構えになっています。
子供っぽくもなりすぎず、かといってアウトドア物にありがちな本気感の出ないダウンベストの様な印象にも。
この”OVERVEST FOR 1LDK”を見て、「FRANK LEDERっぽくないね。」と、感想を抱く方もいらっしゃるはず。
それもまた目指していたバランスです。
以前から良い意味でも悪い意味でも「FRANK LEDERだから」という、固定的なイメージが付きがちなブランドであると感じています。
僕はこの別注を通してそういうのを気にしないで、改めてFRANK LEDERが作る物を、一枚の洋服として楽しむ事が出来るようになれば良いな、と思っています。
ドイツの文化や伝統をコレクションに織り込むユニークでコンセプチュアルなブランド:FRANK LEDER。
ですが彼が一貫して作り続けているのはリアルピープルの為のリアルクローズ。
決して限られたコミュニティに向けて提供される物でも、たった一言で完結出来る閉ざされた世界でも無いと思うのです。
この別注のオーバーベストを作るにあたって、僕からFRANK LEDERにお願いしたのは「前に作っていたコレ、今回のコレクションのこの生地を使って作れますか?難しそうであれば、また別の機会にお願いします。」という一言だけ。
生地と型、それだけイメージを伝える事が出来れば十分で、あとはFRANK LEDERに全てを任せられる、と前回の別注の時に実感できました。
また、あれこれ細かく指定してしまうと、いざ出来上がってお店に到着した際の高揚感が半減してしまう様な気がしたので、今回も大半の部分はFRANK LEDERに委ねたかったのです。
勿論その間に代理店の方の僕の目に見えないやり取りはあったのかとは思いますが、僕にとっても、お客様にとっても納得の行く一枚が出来上がったはずです。
“MITGLIEDSBUCH” FOR 1LDK
普段FRANK LEDERを買わないお客様にも手にとって頂きたかったので、
今回の別注はなるべく価格に反映しない様に、出来るだけ洋服本体にかかるもの以外のコストを下げてもらう様に形にした別注でもあります。
その為、前回の別注の様に保存する袋などはお願いせずに、前回の様に過去のコレクションのイメージソースであるプロップなども特に期待はしていませんでした。
“OVERVEST FOR 1LDK”の左ポケットに隠された“MITGLIEDSBUCH”。
MITGLIEDSBUCHとはドイツ語でメンバーブックのこと。
恐らく蚤の市で買ってきてくれたのでしょう。
その表表紙の裏と、背表紙の裏にはそれぞれ手書きのナンバリングに”FRANK LEDER FOR 1LDK”という直筆のサインも。
こちらはそれぞれのピース毎に一つずつポケットに入っています。
どの番号になるかは買ってからのお楽しみ。
前述したように、FRANK LEDER 2017A/W COLLECTIONのテーマは、
“DER UNSICHTBARE FEIND”「見えない敵」。
その舞台に登場する諜報員が、この“MITGLIEDSBUCH”を実際に手にしていたのかは定かではありません。
ですが、ふとした瞬間にパラパラとめくってみてください。
不意にニヤリとさせられてしまう、彼の遊び心と心遣いから生まれる不思議な高揚感から、僕らは当分逃れることは出来ないはずです。
FRANK LDER “OVERVEST FOR 1LDK”は9/23(土)から発売致します。
都内は1LDK AOYAMA HOTELにて、名古屋では1LDK annexにて販売を行います。
詳しいディテール、コーディネート等は明日また紹介致します。
また、1LDK AOYAMA HOTELは2017年9月26日をもちまして、3周年を迎えます。
骨董通りの奥の奥。
青山地区というお店並びにおける最終地点の様な場所に、店舗を構えて早3年が経ちます。
お客様にとっては目的が無ければ足を運ぶのも億劫なこの場所で、なんとかお店として形にする事が出来ているのも、
全ては日頃お店に来てくださる皆様のお力添えあってのこと。
本当にありがとうございます。
そこで、9/23(土)はLDK AOYAMA HOTELの3周年を記念したアイテム/催しを幾つか用意しております。
順次告知していきますので、そちらも合わせてご覧下さい。
当日9/23(土)のみ、22時まで拡大営業致します。
普段通り、ゆっくりと店内を見ていただきたいので特にパーティ等は予定しておりません。
ただ、ささやかながらドリンク等は用意しております。
皆様と当日は出来る限りの時間、一緒に洋服を楽しむ事が出来れば幸いです。
○ お問い合わせ先
1LDK AOYAMA HOTEL
〒107-0062
東京都港区南青山6-8-18
03-5778-3552
1LDK annex
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3-25-39 sakae south square 1F
052-252-5279
1LDK AOYAMA HOTEL at 里山十帖が始まりました。
皆様のご来店を、心よりお待ちしております。
1LDK AOYAMA HOTEL STAFF 河上