CLASS – Oakland for 1LDK AOYAMA HOTEL –
こんにちは。
1LDK AOYAMA HOTELの河上です。
まずは本日までの3日間、1LDK AOYAMA HOTEL 2019S/S PREVIEWにお越しいただいた方々、本当にありがとうございました。
混雑する時間帯も多く、全てのお客様と十分にお話しする事が出来ないタイミングもあったかと思いますが、どこのお店でも同じ様なものが買えてしまう今のマーケットの中で1LDK AOYAMA HOTELにてお会い出来た事、本当に嬉しく思います。
明日からは普段通りの時間が流れる店内に戻ると思いますが、そんなゆっくりとした店内で、手にとって欲しい洋服があります。
僕からの最後の商品紹介をさせてください。
CLASS
“Oakland”
私物です。
これは約5,6年前に中目黒の1LDKに当時在籍していたSTAFF武生から1LDKにて買った洋服。
僕が1LDKを初めて訪ねた当時も職業は洋服屋。
お金も無くてそんな大層な買い物も出来なかったのに「自分と好きな物が似ているから」と、言って武生さんが仲良くしてくれたのが嬉しかったからかどーなのかは今ではあまり覚えていませんが、気付いたら1LDKの看板を叩いていて、気付いたら僕も1LDKの一員に。
生地はコットンポリエステルのジャージー素材。
後ろは左袖の先から右袖の先まで一枚の生地。
和装の様な作りのリラックスしたジャケットは、当時ドレスクロージング店舗に在籍していた自分にとって、肩の力をストンと落としてくれる様な洋服。
3パッチポケット、ラペル幅も広く、特徴的なバランス。
当時は今ほどビッグシルエット全盛でも無かった為イージージャケットに分類されるであろうこのアイテムは「元々ジャケットが好きな人がこの不思議なバランスを面白いと思う。」洋服だったと思います。
前職のドレスクロージング店舗でジャケットに対する下地が出来ていた自分にとっては最高の洋服。
起き抜けに時計を見て「あー、今日は歯磨きする時間くらいしかねえなぁ。」と悟るタイミングの多かった僕は、とりあえず羽織れば形になってしまうこのジャケットは当然着る頻度も多く、裏地が今まで3度擦り切れました。
決して安くはないお直し代を払って裏地を直して着る理由が、このジャケットにはあったのです。
そこまで着続けていると、ありがたいことに「そのジャケット良いね。絶対に買うから作ってくれないかな。」
という声も多く頂きます。
” CLASS “という一見癖の強く、商売っ気を本当に感じないブランドの洋服に対してその言葉は尚更嬉しかったのですが。。。
このジャケットの”着丈の長さを確保できる生地幅があり用尺も多く取る生地を必要とする作り”の性質や、
イージージャケット主流になった時代感の中で、「単純にお客様が欲しがっているから。」という理由だけしか無い状況で、安易に復刻をお願いするのはなんか違う様な気がしたので、ブランド側に掛け合う事すらしませんでした。
半端じゃなく物が多い今の世の中で、人に動いてもらって自分が好きな物を作るのは、お店の売り上げ以外、お客様の需要以外の何らかの理由が必要だったのです。
少なくとも僕にとっては。
” CLASS ”
– Oakland for 1LDK AOYAMA HOTEL – ¥87,000+TAX-
CLASS 2019S/Sコレクションの展示会にて。
ようやくその「理由」を見つけることが出来ました。
表は超撥水加工が施されたポリエステルの糸。
肌に当たる部分はシルクの糸。
日常的な要素もありながら、着心地は非日常的な快適さを持つジャージー素材。
単純に復刻しただけでない、オリジナルを超えるリラックスさを持つアイテム。
余談ですが、ベースのジャケット”Oakland”は当時三枚しか生産がされませんでした。
その内の一枚を偶然1LDKで手にし、1LDKで着続け、1LDKで働いた結果。
僕は自分にしかお願いする事の出来ない別注を作ることが出来たと思います。
僕は、2月末日をもって株式会社アイディーランドカンパニーを退職致します。
1LDK AOYAMA HOTELでの出勤は、本日が最後になります。
今までお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。
僕がこの場所で好きな事を好きなだけ行うことが出来たのは。
僕達の提案に共感いただき、お店に通ってお話を聞いてくださったお客様の存在が全てです。
このジャケット計30枚はそのお客様/支えてくれた方々に渡したいと思って作る別注でした。
年末に納品され、今日までにお渡ししきる事が出来たと思います。
もちろん似たような物を最近買われた方や、そもそもの洋服の好みやライフスタイルを始めとする多くの要素がこの別注の提案から外れている方もいらっしゃるので、そういった方にはお声がけしていません。
ここまで気持ちが入った物をぶつけられると実際に着るか着ないかわからなくても無理矢理買ってしまわれると思ったのと、「ヒト/コト/モノ」の中の「モノ」以外の要素に強い焦点が当たりすぎた商品を買うという行為が、僕は結局最後まであまり良い買い物の方法だとは思えないからです。
折角高い金額を頂いて売るのだから、ちゃんと着てくださる方にお渡ししたい。
特に僕達が提案したいものは絵でも陶器でも石でもなんでも無い、その人のライフスタイルに沿った日常着としての洋服だから。
そんなCLASS “Oakland for 1LDK AOYAMA HOTEL”ですが、SIZE:2を一枚だけ。
店頭のラックにかけておきます。
まずは一度、着てみてください。
このジャケットは僕にとって1LDKのはじまりのジャケットでもあり、おわりのジャケットでもあります。
当時僕が手にとった同じ様な状況の元で、どんな方が手にとって、どんな方が買われていくのか想像する事を、僕の今後の楽しみにさせてください。
○ お問い合わせ先
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〒107-0062
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03-5778-3552
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今後とも1LDK AOYAMA HOTELをご愛顧賜りますよう何卒お願い申し上げます。
4年半の間、本当にありがとうございました。
2019年1月20日
1LDK AOYAMA HOTEL STAFF 河上 尚哉